「高校生に世界を変えられる力があるか?」
12月1日、2日に開催された世界アーティストサミット2007。
「アーティストは世界を救えるか?」をテーマに、7名のアーティストによるコアミーティング、公開シンポジウムが開催されました。
「アートができることは何か」
「アーティストが一人の人間としてできることは何か」
対話の中で生まれたいろいろなメッセージは、混沌とした未来へ一筋の光を射してくれたのかもしれません。
その理念を受けて、昨日(12月3日)京都市立銅駝美術工芸高等学校で、「ジュニアアーティストサミットin銅駝」という取組が行われました。

2005年の第一回世界アーティストサミットの中で、高校生によるプレゼンテーションを見て参加アーティストは涙し、多くの感動を呼びました。
そのとき私は、このアーティストサミットをきっかけに、未来を担う高校生や大学生も同じ問題と真剣に向き合う機会を設けたい、そしてそれが社会を変える一つのきっかけにしたいと、サミット事務局の杉浦氏と一緒に考えました。
そこで、第2回目の今回、その提案を京都市内の銅駝美術工芸高校に持っていきました。
学校行事を含めさまざまな校内調整に、関係の先生方のご尽力をいただき、一緒に開催することができました。

銅駝高校では、サミット実行委員会が1、2年生を中心に組織されました。見守る先生方の真剣にそして温かい眼差しの中で、その実行委員会の子たちはがんばってくれました。

連日におよぶミーティング11月18日の記事参照や準備作業は、本当に大変だったのではと思われます。
前日も公開シンポジウムに来てくださり、その中で感じたことも大きかったようで、余計に緊張も高まってしまったのではと心配していました。

イングリッド・ムアンギさん、坂本龍一さん、宮島達男さんの3名のアーティストと、高校生7名が同じ場所に座り、対話スタート。
当日は、まさに「ジュニアアーティストサミット」という名の通り、コアミーティングが場所を移して開催されているかのように、真剣な対話が行われました。
「アーティストに世界は救えるか?」
「高校生に世界を救う力はあるのか?」
「どうすれば世界を救えるのか?」
彼らが用意した対話のテーマは、この大きな3つのテーマでした。
まさにそれは「世界アーティストサミット」の理念そのもので、この取組の波は確実に広がっていると実感。

270名の全校生徒の中からも、次々との意見が出されました。
「アートとは何なのか?」
「世界を救うためにモノづくりをする必要があるのか?」
「世界ってなると大きすぎて実感がわかない。自分の周りの人を救うことではダメなのか?」
など、次々と繰り広げられるその真剣な対話に、感動を覚えていました。

全体での第1部が終わった後は、2グループに分かれより密接な距離の中での対話が続けられました。
第1部では、高校生の意見をしっかりと受け止めたいと静かに聴いていたイングリッド・ムアンギさん。
第2部では、その中での想いを高校生に語りかけてくださいました。
環境に対する事、社会に対すること、そこに作品を通してどうやってメッセージを伝えていくのかなどの意見は、高校生に響いたのではと思います。

坂本龍一さん。より高校生に近付けるように、講堂の床に腰をおろし、対話を始められました。
坂本さんからも同じように環境に対する事や、「高校生は知るということから始めたらどうか」という提言がなされました。多くのことを知ることで、モノを買う時に、自分で判断しながらモノが買える賢い消費者になれると。また、美術を専攻する高校生なら、自分たちでエコバックを作り、それを販売してその利益で、また次の行動を起こしてはどうか?というアクションプランへの提言もなされました。

最後は、会場にいる皆で手をつなぎ、1分間目を閉じて、今回の対話を通して感じたこと、身の回りのこと、世界のことをイメージする時間が設けられました。
一人ひとりのなかで、描かれるイメージで会場が包まれたその瞬間は、ムアンギさんの言葉を借りると「beautiful」。

最後は記念撮影。
一人ひとりが真剣に対話をする空間にいた270名の皆の顔は、本当に素敵な笑顔であふれていました。
今回のサミットを通して、彼らの中で今後アクションプランをつくり、行動していくとのことです。サミットは続くのですね。
世界アーティストサミットの波は、静かに、しかし確実に広がっています。
投稿者:入学広報課 吉田
銅駝サミット実行委員会のみんなへ。
本当にお疲れさま。最初のレポートを読ませてもらってから、説明に行ったり、準備の様子を観に行かせてもらい、君たちと接する中で、すごく一生懸命にこの「問題」と向き合い、ときには涙をしながら対話をしている様子を見ながら、すごく感動していました。
「単にイベントを運営する」というのではなく、誰もが「アーティストサミット参加者の一人として」向き合っていた姿は、本当に素晴らしかったよ。
「考えること」を通して、「足りないこと」に気づき、だからもっと一生懸命「知ろう」と努力し、また「考える」。そして、いつも「行動する」。そんな君たちの姿こそが、「アート」や「アーティスト」の姿だったと思います。
「社会を変えられるか?」と聞かれたら、わからないけど、君たちの中ではきっと変わったんじゃないかな?その変化がきっと社会を変える力になると信じています。
ありがとう。