2007年07月21日

鈴子の教員インタビュー8・増田龍治編3

教員インタビュー8回目の今回は、先週に引き続き、CGアニメの原作・脚本・監督として活躍されている、キャラクターデザイン学科長の増田龍治先生にお話をさせていただきます。

Q5:キャラクターデザイン学科は、企業と連携するという新しい試みをしている学科ですが、具体的にどんな事を学ぶのですか?

A5:基本はキャラクターを中心に、アニメーションやイラストレーション、絵本や漫画を学んでいきます。
他校との違いといえば、デジタルメディアに力を入れているというものです。
技術に目を向けた話ですが、デッサンやスケッチなどの手描きは独学でも進められますが、デジタルの部分は誰かに教えてもらった方が断然収得できます。

一方で学科の理念が「アニミズム」という原始宗教の様なところがあります。
例えば、「木は、何を考えているか」などといったよく分からない事がアニメーションを作る時には、大切です。
机一つを動かす時も、どういう性格だからこう動くんだという事を考えないと動かせないんですよ。
それは、映画にも演劇にも無い表現です。なにせ机は無機物ですから。

でも、アニメーションは机が人間の様に動かなければいけない、
そのときに机の性格を考えなければならない。
机に触ってみて、暖かいとか冷たいとかの触感も含めて、どこで作られた木なのか等々・・・
机を形作るものの中に、自分の心を投影させていきます。
人間以外のものに対しても心を追求していくという事が基本の理念にあるんです。

万物のあらゆるものに魂が宿っているという考え方が、アニメーションの語源でもあるアニミズムですからね。
そういう原始的な感覚をとぎすませながらも、使用している機材は最新のデジタルというのが学科の特色の一つです。

企業との連携は、学校の中でプロの仕事ができるスタジオがあったら、みんな下宿や自宅からインターンで通えるということに着目しました。
今は、インターンをやるには、ほとんどが東京中心に動いていますが、学内にスタジオを作ると京都の大学から作品を発信していけます。
これもデジタル技術を中心にしているから成しえることだともいえます。
出来た映像をわずか数分で東京に送れて、そこから全国へと流せる。
そうして、東京との距離の問題を解消できるのも利点です。
学内にスタジオを作り、インターンで働けるシステムを作り、それを授業のカリキュラムに取り入れて、作品が広範囲に発表できるということは、今まであまりない試みだと思います。

学内だけの発表で終わらせない。
プロとしての仕事は、厳しい意見も含めて外からの意見が返ってきます。
それは学生にとって刺激になり、やる気につながるのではないかと思っています。
学生たちにもっと大きな手応え、それを感じられるようなシステムにしたいのです。

投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビュー8・増田龍治編4

Q6:大学では何を学んでもらいたいですか?

A6:基本は「洞察力」をきちんと、磨いて欲しい。
例えば、話している相手の心だとか、小さな自分の世界にとらわれずに外を見る力をつけて欲しい。
最近の若者に多いと感じるのが、ディテールにこだわって小さなところに目線が行ってしまい、前に進めなくなっている事です。
社会的な常識や自分という小さな世界にこだわりすぎて足踏みしています。
もちろん、作家としては自分へのこだわりもあると思いますが、あまりにも自分や常識にとらわれると精神的に自滅してしまいます。
当たり前だと思われている常識を疑ってみることも大切で、そこには自分の内面さえも疑うぐらいの冷静な目が必要でしょう。

そうして、外と内とのバランスが取れるような力を身につける事が、人生を豊かなものにするのではないかと考えます。


Q7:受験生にメッセージをお願いします。

A7:もし、あなたがアニメでも絵本でも漫画でも、読んだり見たりした時に、 「もっと、こうしたらええやん」と思う事があれば、それがプロへの第一歩になると思うので、そういう人は、この学科に来てください。

そういう人が、受験に挑んでほしいいです。

ただ、作品を楽しんで見るだけでなく、もっとこうしたらいいんじゃないか?という引っかかりがあるのなら、そこに君の個性があるはずなので、その個性をのばすために、どうぞキャラクターデザイン学科へ。

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インタビュー後も様々な話をさせていただき、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
キャラクターデザイン学科と他の学科がコラボレーション出来たらと良いなという話もしました。
コラボレーション出来れば、面白い作品が出来るかもしれないですよね。
学科を越えた交流があると視野も広がります。
実現したいなと思いました。
「ガラクタ通りのステイン」はお勧めですよ。
是非、観てみてくださいね。

投稿者:鈴子(3年生)

2007年07月14日

鈴子の教員インタビュー7・増田龍治編

「ポピー・ザ・パフォーマー」、「ガラクタ通りのステイン」、「Funny Pets」を知ってる方も多いのではないでしょうか?
教員インタビュー7回目の今回は、CGアニメの原作・脚本・監督として活躍されている、キャラクターデザイン学科長の増田龍治先生にお話をさせていただきました。

Q1:小さい頃から、漫画やアニメは書かれてたのですか?
また好きな作品があれば教えてください。


A1:学生時代は実写映画を作っていました。
その映画作品を「あらいぐまラスカル」の監督さんが観て、
「お前は、実写じゃなくてアニメ向きだ!」って言われました。
子供の頃楽しんで見ていた作品の監督なので、
その言葉を信じてアニメの世界に入ったのがきっかけですね。

好きな作品は、「日本むかしばなし」です。短編が好きなんですね。
ダラダラと長く続いているものは苦手で、映画もそうですが、一話完結の作品が好きです。
自分の作品もその傾向があります。


Q2:「ガラクタ通りのステイン」は、人間の欲求、弱い部分が表現されていると思いました。
そして、「食」という本能的な部分を重要視されていると感じたのですが?

A2:作品全体に食べる事への罪悪の様なものがあります。
小さい頃、ご飯を食べている自分が凄く悲しかったです。
生物には、何かを犠牲にして生きなくてはならない業みたいなものがあって、それが自分の中で小さい頃からあったんでしょうね。
幼い頃のほんの一時期ですが、何の役にも立っていない自分が、ごはんを食べてはいけないんじゃないかと泣いたときもあります。
もちろん、今はないですけど。

投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビュー7・増田龍治編2

Q3:セリフがないと見る側の想像も膨らむ上に、言葉という観念がストレートに伝わってくると思いましたが、その辺りにこだわりはありますか?

A3:そうですね、セリフを無くしたのは、一つ挑戦です。
セリフがなくてもストーリーを展開させる演出力がいるので自分への課せと同時に、
作品を一つの答えに導きたくなかったんです。
今は、子供向けというと分かり易いものが多いじゃないですか、漫画でも映画でも。
でも、子供が分からないぐらいの方が良いんじゃないかと思います。
子供が「なぜだろう?」って?がつくぐらいの方が良いのではないか。
そうすれば子供は親に聞くじゃないですか、「何で?」って。
すると親もその作品を見ます。そこで一緒に考える事ができ、作品はテレビの枠を越えて視聴者の中で広がります。
分かりやすいだけの作品は、子供が作品の中に閉じこもってしまう。

できれば、作品をきっかけに外の事を考えて欲しい。
ごはんを食べるという行為にしても一見すると忘れてしまう様な当たり前のこと、
でもそこには何かが犠牲になっているわけで、そうまでして生きなければならない人間の業って何なのだろうか?といった事も含めて子供と一緒に大人も考えてほしい。
そうすることで親子の間に広がりや交流がうまれていくと思うのです。

その点では分かりやすくしない方が良いと思っています。

Q4:ストーリーは、どんな時に思いつきますか?やはり、幼い頃感じた事や出来事はストーリーを作る上で影響されているのですか?

A4:ストーリーの展開は、人としゃべっている時や、食べてる時や、眠っている時にふと思いつきます。
眠って起きたらストーリーがつながっている事もあるんです。
きっと寝ることで頭の中が整理されるんでしょうね。

要するに、気分転換です。
集中しすぎるとそこにとらわれていくから、
そうじゃないように自分を突き放すには別のことをやった方が良いです。
手短なものが、眠る事と食べる事。でも、それを合わせると太るんですよ。
作家になって20kg太りました(笑)
そろそろ、このやり方を考えないと健康にはよくないですね。

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>来週に続く・・・・・・

投稿者:鈴子(3年生)

2007年07月07日

鈴子の教員インタビュー6~荒川朱美編3

こんにちは、鈴子の教員インタビュー6回目の今回は、先週(6月30日)に引き続いて環境デザイン学科の荒川朱美先生です。
荒川先生は、京町家を改装された住宅兼設計事務所を拠点に、インテリアから建築設計までの多くを手がけておられる先生です。
それでは、質問の4から続けていきましょう。


Q4:今の住宅は現代的なデザインで斬新なものも多いが、日本特有の伝統的な住宅は少なくなってきている。その上、狭小住宅が増え、伝統的な空間要素というものが無くなってきていると思うのですが?

A:今、住んでいる町家は、自然素材を使って風土に合わせて作られた家で、100年以上経っています。一本一本の木が存在を主張していて、昔ながらの空間のつくりはどこにいても人の気配が伝わってきます。来た人も住んでいる私達も居心地が良いのです。
どこかで何かとつながっている、自然とも人ともつながっているし、声も聞こえる。そういう関係が昔の家には自然と出来ていました。
今の家は、完全に切り離されている、それが居心地の良い場合もあるし、逆に寂しくなったり不安になる事もあります。

住んでみて分かった昔ながらの家の良さは、人と自然とつながっている事を実感できる事ですね。
だから新しい家を設計する時もそういう事を考えながら、スケッチをしています。
伝統的な空間が無くなると、空間だけではなく、空間と一緒にあった生活の仕方や生き方も無くなり、日本人から日本人らしさがなくなる事になるかもしれないですね。
和室があると例えその場所があまり使用しない場所でも、気持ちにゆとりが生まれます。

単なる畳のある空間というだけではなく、そこを使用する人の居住まいまで影響を与える事もあるので、そういう事まで考えて設計しています。
なぜ欲しいのか、本当にその空間を必要としているかも考えてなくてはならない。
和室はあれば良いけれど、作れない時はせめて和の気持ちになれるようなデザインをするという事だけでも変わると思います。


Q5:昔の建築物(例えば:寺院など)は何百年たっても残っている。しかし、現代の建築物はすぐに壊れてしまう、これは何が違うのでしょうか?

A:ヨーロッパの石やレンガ作りの建物と日本の木の建物の違いは、よく動物と植物に例えられます。
そうすると日本の建物が植物の様に思うでしょう?しかし、日本の建物が動物的でヨーロッパの建物が植物的だと言います。
石造りの建物のレンガ一つを細胞だとすると例えば、下のほうの細胞が悪くなると取り換えられません。
でも、木で作られた建物は、柱が腐っても接ぎ柱といって腐った部分を取り換える事ができます。古くなった細胞を取り換えて新しいものに置き換えていく、これは動物の新陳代謝と同じです。
古い細胞を新しいものに置き換えながら、少しづつ年老いてくる。
石の建物は、植物と一緒で一個一個の細胞は変わらないけれどそれが大きくなっていき、外側に増えていく。
木の建物も手入れをしなかったら崩れてくるけれど、少しづつ手入れをすれば何百年も長持ちする事ができますね。

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投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビュー6~荒川朱美編4

Q6:環境デザイン学科には、環境デザインコース、建築デザインコース、インテリアデザインコースがありますが、この学科で何を学んでもらいたいですか?

A:環境も建築もインテリアも一つの世界です。
一番人間に近い家具を含めて提案していきたいと思うならインテリアになり、建物全体を設計していきたいと思うなら建築、建物が沢山並んでいる空間、例えば町並みや、建物と建物の間の公園やオープンスペースもデザインしたいなら環境デザインになる。

どれか一つだけではなくて、どれも知っていなければならない、その中で自分はここを勉強しようと決めれば良いと思います。

将来、環境デザインで学んだ事で食べていこうと思っているのなら、私達の仕事は、責任のある仕事です。
ずっと関わらなくてはならない。

ここで学んだ事はそのまま仕事に役立つ事ばかりではないし、足りない事も多いと思います。
でも、その人の為に自分は何ができるのかをきちんと考えて欲しい。
それは、その人の言うままに設計することではなくて、本当にその人が思っていること、その人が何を求めているのかをきちんと見極めてかたちにしてあげることです。
環境デザインの仕事は、人に対する仕事です。
その人の事をきちんと考えられる、それが一番大事ですね。


Q7:受験生にメッセージをお願いします。

A:人の命を預かる責任のある仕事なので、入学したら学ぶことが多く大変です。
でも、将来の目的をしっかり持ってやっていきたいのなら、凄くやりがいがあると思います。
目的をしっかり持って、将来様々な人に素敵な空間を造ってあげたいと思う人は、是非受けてみてください。

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とても丁寧に、色々な事を話していただきました。
笑顔の素敵な先生でした。
日本画コースの先生の住居も設計されたと言う事で話が盛り上がり、初めてお会いした先生でしたが、勝手ながら親近感が沸いてしまいました。

来週もお楽しみに。

投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビューは、毎週土曜日更新中!

2007年06月30日

鈴子の教員インタビュー6~荒川朱美編1

こんにちは、鈴子の教員インタビュー6回目の今回は、環境デザイン学科の荒川朱美先生です。
荒川先生は、京町家を改装された住宅兼設計事務所を拠点に、インテリアから建築設計までの多くを手がけておられる先生です。


Q1:この世界を目指されたきっかけはありますか?

A:祖父が大工でした。父も家を建てる事が好きで、よく祖父を呼んで二人で家を改築していました。その光景を間近に見ていたり手伝いをしていくうちに、面白いと思っていました。
建築というより、家が好きだったんです。
住宅に興味があって、図書館に行って、よく建築の雑誌を見ている中学生でした。


Q2:インテリアのデザインから建築まで、設計する上で共通しているイメージなどはありますか?

A:インテリアと建築は別物の様に思うかもしれませんが、建物が無いと内部の空間はなく、一方で、建築と言うのは内部の空間がないとただの置物や彫刻の様なものになるので、両方一緒になって初めて人が利用できる場所になります。だから、分けて考えた事はないですね。

実際に設計する時も、外と中を一緒に考えています。

建てる場所の特徴や、施主の要望や住み方についての考えなど、設計のたびに条件が違うので、ずっとこれをテーマにしていると言う事はないのですが、その人らしいあるいは家族らしい住み方の提案できるかという事を大切にしています。
環境を踏まえた上で、住んでくれる人達が思ってもいない様な新しい、楽しい住み方が提案出来るかどうかという事が、少しでも出来たら良いなと思っています。
プラスαの魅力をあげられたら良いですね。

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投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビュー6~荒川朱美編2

Q3:先生の著書「住まいの解剖学」の中に、住宅や住生活に影響を与えたものが社会主義と文化主義の思想で、特に文化主義の思想は人間生活を総合的に捉え、居間で家族が平等に団欒している。それが大正の「文化住宅」のあるべき姿だ、と著されていました。
では、現代の「文化住宅」のあるべき姿はどのようなものだと考えていますか?

A:現代は、家族がバラバラになっているという大きな問題を抱えています。それが現実です。
核家族、欠損家族など色々な人達がいて、その人達が特別な存在ではなくなっています。
一つ一つどういう空間がその家族に相応しいかということを提案していく事が今、大事になってきています。

反対に、その事から今、まさに新しい文化住宅が(その言葉が適切かどうかわかりませんが)出来るとしたら、「家族」そのものがキーワードになるでしょう。

昔の家族のイメージでは、合わなくなってきています。
新しい家族のイメージに合わせた新しい空間というものが、提案できるかもしれない。
それも考えていきましょう、と学生にも言っています。

今は、一つのイメージでは言えないと思います。
住む人も一つのイメージで押し付けられる事を嫌がるでしょう。
私らしい、私の家族らしい家を求めている。そういう人達が建築家に相談に来ているのです。設計を頼む方も覚悟が必要です。

自分の生活をしっかり見つめ直して無駄な部分はいらないとはっきり決めて、その代わりに新しい何かを手に入れるという覚悟を持った人が来るので、その人達と一緒にそれぞれの新しい住宅を作っていく事をしていきたいと思います。

>来週に続く・・・・・・。

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投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビューは、毎週土曜日更新中!

2007年06月23日

鈴子の教員インタビュー5 榎本了壱編1

教員インタビュー5回目の今回は、
プロデューサー、クリエイティブディレクターとして活躍されている、
情報デザイン学科長の榎本了壱先生です。

Q1:この道に進んだきっかけは何ですか?

A:小さい時から絵を描く事が好きだったんです。
体が弱く幼稚園には行けなくて、小学校一年生の時、絵を描いたら、担任の先生がとても褒めてくれました。
そして、先生の家に遊びに行ったら、アトリエがあって、先生のだんな様が画家だったんです。
その時「絵描きはかっこいいな」と思ったんですね。
それから絵が好きだから、どんどん描いた。
クラスメート50人全員の顔を描いたりしていました。

高校2年生の時、二科展のデザイン部門に最年少初入選し、その時デザイナーになりたいと思った。

それと同時に、高校生の時は詩も書いていました。
詩や文章を書くのも好きだから、文章を書く仕事もしたいなと考えました。

デザインを学ぶ事を決め、武蔵野美術大学に入り、粟津潔先生に出会いました。
粟津先生は、京都造形芸術大学が短大設立時に色々働いた方です。
その先生の仕事を、大学生の時に手伝うようになり、寺山修司さんとか色々面白い人達に出会いました。
学生のうちにそういう仕事をしていたので、卒業しても就職はせずに、フリーでやっていました。


Q2:なぜデザインを学ぼうと思ったんですか?
また、幼い頃詩や童話を書いていて、大学を卒業して鎌倉で文章を書きたいと思い、お引越しされましたよね?
やはり、文章を書いていきたいという気持ちはずっとあったのですか?


A:もともと私の描く絵自体、洋画とか日本画風ではなくて、デザイン的な絵だったんです。
写実の絵が好きではなくて、イラストレーションに興味があったんですね。
それから、デザインそのものにも興味を持つようになりました。
絵を描くよりもポスターを作る方が面白かったわけです。
絵描きになりたいという気持ちはなかったですね。

文章は書いてました。今でも書いていますよ。
今は俳句や短い話が多くなっていますね。


Q3:「脳業手技」に出てくる企画書は、手書きで書かれていますが、こだわりはありますか?

A:その当時、パソコンが普及していなかった事も大きな要因なんだけど。
今はパソコンで作る方が多いです。

今、1年生が受けている「百科学」では、
2時限の授業を聞いて、その講義をチャートにまとめることをしてますし、
3年生では、クリエーターズ研究という色んなクリエーターの講義を聴いて、
同じようにチャートを作っていくという授業を行っていますが、みんな私の提案です。

それは訓練すると、話を聞きながら、自分の中で話の意味や関係を図表に書換えていけるようになるんです。

今までのリポートというのは、言葉の秩序で表現していくわけだけど、
先生の話している意味を、図表化することで、全体を把握する力が付きます。
それが出来るようになると授業が凄く面白いし、学生がどのくらい理解したかの結果も、
リポートを読んで判断するより、図表を見ることで瞬時にでその人がどの程度理解しているかが分かるのです。

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投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビュー5 榎本了壱編2

Q4:仕事の多くは一人で作り上げていくものではなく、グループで作り上げて行くものだと思いますが、重要な事は何ですか?

A:一番大事なのは、能力のある人と仕事する事です。
それは、グループワークは、一緒にやっていている人に能力がないと自分が高まっていかない。
優秀な人と仕事をすると、絶対面白い仕事になります。
能力のない人たちとやると、なかなか目標に到達できないんです。
これは非常に残酷だけど、良い仕事したければ良い人とやる事ですね。

あとは、チームになった人をある程度尊敬して、
チームとしてコミュニケーションを良くしていくことです。
とにかく認めてあげて、その人の能力が最大限生かすやり方をしていく事が大事です。
そして、チームの中で自分もある程度尊敬される、認めてもらえるような仕事をしていく事も大切ですね。


Q5:情報デザイン学科はどんなコースがあり、学生には何を学んでもらいたいですか?

A:今年からコースが5つに変わりました。
コミュ二ケーションデザインコースは、グラフィックデザインや広告を作ったり、出版や、WEBの編集デザインをするコース。

イラストレーションコースは、イラストレーション、アニメーション、絵本、漫画など、絵を描く事から、社会的に表現が出来るような人を育てるコース。

映像メディアコースは、コマーシャルフィルムの制作、雑誌の写真を撮ったり、ファッション写真の撮影など、カメラという媒体を通して表現を行う人を育てるコース。

プラニングディレクションコースは、企画を生み出していく、デザインが始まるその前の仕事を行う人達を育てるコース。

先端アートコースは、内側から溢れ出す創造力を大切にしながら、アートにとどまらず、社会に発するメッセージが表現となる、ライフクリエーターの育成を目指すコースです。


新しいタイプのクリエーターを育てるというよりも、
社会の大きな動きとリンクしながら活躍できる様な表現者を育てようと変えてきました。
画家や彫刻家は、自分の中のものをどうやって社会化していくかという事だけれど、デザイナーというものは、社会の中にある大きなテーマを自分で掴んで、自分の能力を通してもう一度社会に分かりやすく戻していく作業をする人です。

魅力的に求められやすい様な形で情報を整理し、いかに発信するのかが仕事なので、そういうセンスの持った、力を持った人を育てたいと思います。

基本的にグループでやる仕事なので、グループの中で自分が生きて他人も生きる能力、いつもコミュニケーションがとれて、仲間を盛り上げる能力、自分の能力を出せると同時に人の能力も出せる様な人を育てたいですね。


Q6:受験生にメッセージをお願いします。

A:京都造形芸術大学は色々な学科・コースがあるけれど、情報デザイン学科は、もっとも社会と向き合ったクリエーターを育てようとしているので、デザインを通じて社会で活躍したいという人は、是非情報デザイン学科を選んで欲しいですね。

どんどん社会と向き合う、そういう積極的なタイプの人であるなら情報デザイン学科に来るべきでしょうね。


途中で、先生に逆に質問され戸惑ってしまいました。
最後に俳句、小説に30人のアーティストがコラボレーションした先生の著書「俳句×掌篇 春の画集」(新風舎)に一句書いていただきました。
本学の先生も何人か参加されています。是非読んでみてくださいね。
先生独自の世界が垣間見れます。

次回の教員インタビューもお楽しみに。

投稿者:鈴子(3年生)

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「鈴子の教員インタビュー」は、土曜日更新!
過去のインタビュー記事は、カテゴリー「7連載・インタビューシリーズ」からご覧いただけます。

2007年06月09日

鈴子の教員インタビュー4 千住博学長1

鈴子の教員インタビュー4回目の今回は、
New Yorkを拠点に世界的に活躍されている日本画家で、本学の学長でもある、千住博先生です。


Q1:千住先生は、よく芸術家が成功する条件は、1自信、2勇気、3才能、4NYに住む、と言われていますが、もう一つ条件を加えるとしたら何ですか?

A:これは自分を信じる気持ちと勇気があれば、自分の持っている才能に気付くことができるという意味です。
そして、NYは世界のアートが集まるアートの中心地です。
更に考え方によって、次に来るものは色々ありますが、まず大切なことはコミュニケーションです。人の話を聞く耳を持つ、つまりグレートコミュニケーターである事。私が出会った巨匠たちは皆そうでした。芸術というのはコミュニケーションであるからこそ、まず、相手の話を聞こうという所から始まります。漠然としているけれど、これがとても大切な条件ですね。


Q2:学生の頃の作品の見方と、今の作品の見方で変化した事、変化しなかった事はありますか?

A:学生の頃は、ものが全然見られていなかった。
私は、一昨年位からやっと見られてきたと思っていました。
しかし先週、大徳寺聚光院の狩野永徳の襖絵が、京都国立博物館に納まるのでNHKの番組収録のため、その立会いに行っていたのですが、その時になって私は本当に今日まで何も見られていなかったんだという事を改めて知らされました。
見る線、形、全てがまるで初めて見たような感じだったのです。今までは単に眺めていただけ、と感じたのです。
凄く焦ってしまいました。そして、今でも実は何一つとして見られていないのではないかという焦りを抱えています。

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投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビュー4 千住博学長2

Q3:学生の頃は、根拠のない自信しか持つ事ができないですが、失いやすいこの自信を、先生は学生の頃保てていましたか?

A:自信を失いそうなものは、なるべく見ないようにする事
だから、私は私の悪口が書かれているものは、評論であろうがブログであろうが絶対見ません。役に立ったためしがないからです。
人間は皆、同じように弱いから、傷つきそうな所は避けて通る事。
それは卑怯な生き方のように思えるかもしれないけれど、生き抜くとはそういうことです。

歴史が教えてくれる事は何かというと、勇気があって勇猛果敢な人は早死にするということ。
臆病でいつもおどおどしている人達だけが生き残ってきているのが、人類の歴史です。
勇気があって、嵐の中に飛行機で飛び出す人は、大体死にます。
そういうことから考えてみても、臆病だったりおどおどするという事を決して恥じてはいけないと思います。
自信を失いそうな所は避ける。そんなの卑怯じゃないかと思われるかもしれないけれど、実は歴史が教えてくれる事は、そうやって人々はより安全な所、より快適な環境というものを探り当てて来たということです。

だから、勇気を持って挑戦してといって何でも正面からぶつかっていく事は、時として自分が大きく傷つくかもしれない、大きく自信を失うかもしれないということを感じるなら、それは避けなければいけない。
人間は誰でも傷つきやすくてとても弱いものなんです。
だから、皆で助け合って怖い所は避けていく、私はそれが本当の勇気だと思います。

時として、本当の勇気というのは撤退する覚悟を持つ事
軍隊でも、攻めるよりも撤退する方が難しいというのは、逃げる事は本当に勇気の必要な事で、その事がとても大切だからです。
本当の勇気と自信を持って、全ての事に向かっていかなくてはならない、これ以上踏み込んでいったら自分が傷つくなと感じたら撤退する事も勇気です。NOと言う勇気です。
興味本位と好奇心だけで前に進むことが勇気ではない。
逃げるのは格好悪い。だからこそ勇気が必要なんですね。

そして、本当に自分のことを考えてくれている人の意見を尊重することです。
多少きつくてもです。
そしてそれがこの大学の先生たちなのです。
創立30周年を迎える京都造形芸術大学は理事長の見識のもと、そういう真の指導者たちを30年かけて選びぬいて来ました。

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Q4:影響を受けた人や、今でも印象に残っている言葉などはありますか?

A:学生時代は別にして、今、私の様に全世界を相手に活動し続けていると、他の誰が何を言ったかなどというのは、もはやほとんど何のリアリティーもない。実際何の助けにもならない。
自分は・・・・・・ということなんですね。
判断するのは、結局自分一人です。

自分が目標になる生き方をしなければならない。そして、自分の言った言葉で自分が励まされなければいけない。
自分の行動が自分を励まして続けていて、そういう中で毎日更新していっている。上書きしていく。

尊敬する人もいます。しかし、結局自分の人生には関係なかった。
せっぱつまった状況では何の役にも立たなかった。申し訳ないけど。
人生の本番を生きている真っ最中で、本当に困った時、他の人の生き方や言葉は、何のリアリティーも持たないです。
今を自分として恥ずかしくない生き方をする、恥ずかしくない発言をする、それだけで精一杯。

投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビュー4 千住博学長3

Q5:これから芸術・アートというのは、どういう存在になっていくと思われますか?

A:人と仲良くやる方法、そして、何とかして異なる他者に自分を分かってもらおうとするという事を芸術と言います。
つまり分からない人に何とかして分かってもらう事、これを芸術というわけです。

だから、21世紀ほど芸術的発想の必要な時代はない。
人々は宗教の名の下に戦争をしたり爆弾を仕掛けあったり、こういうのは何が足りないと言ったら、やはり芸術的発想が足りないとしか言い様がない。
芸術というのはコミュニケーションのことで、本当は人類にとても大切なものだという事に気づかなくてはならない。
そうする事で人々は皆、芸術的な発想を持って毎日を過ごし、相手の話を聞こうとしたり、何とかしてお互い分かり合おうとします。

世界の色々な人が色々な考え方がある、そこでなるほどこういう考え方もあるんだなというのを見たり聞いたりする事が、コンサートだったり展覧会です。
芸術的発想というのが本当に弱まっていたのが20世紀で、21世紀は本当に芸術的発想が求められている時代だと思います。

人間が色々な危機を乗り切る事が出来るには、芸術的発想、つまりイマジネーションのコミュニケーションをちゃんと分かる事が必要であり、それが生存にとって大切なものだから、芸術というものは人間に本能として身についてきたんですね。
単に壁があいてるから描きましたとか、耳が寂しいからBGMを流しましたというものではない。
分かり合えない異民族同士が何とか仲良くやる方法として、本能的に身についたものが芸術です。
それを歴史は教えてくれています。歴史から学ぶとはそういうことです。
こういう戦争の時代において、芸術的発想はますます必要になっていくと思います。

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Q6:大学では何を学んでもらいたいですか?

A:一番学んで欲しい事は、どんな相容れないと思われる物同士でも、必ずハーモニーを奏でる事が出来る、それを教えてくれるのが芸術だということです。

例えば、日本の四季図屏風はまさに戦国時代に華やかに確立した手法で、春夏秋冬という全部対立概念の様なものが、一枚の画面の中で仲良くやれる。
綺麗なハーモニーを奏でられるというのは、血で血を洗う戦国時代の芸術家からのまさに平和への切実なメッセージだった。
芸術とはそういうものです。

そして、この京都には様々な過去の四季図屏風、日月屏風をはじめ日本の素晴らしい財産が山の様にある。
例えば、仏像を見てみたら仏像の中には、西からの文化の伝播の歴史がそのまま入っている、襞の模様がヘレニズムだったり、顔がガンダーラだったり、この中に全世界がある。
仏像の中に世界がある。
実は世界で最もすばらしい仏像が集まっているのが京都です。

そういうものを見ながら、この大学で「トレンドセッター」と言われている世界の最先端で活躍している多くの先生達と、最新のアートの動き、歴史的に残ってきた名品の数々を見ながら勉強する事を考えると、京都にあるこの京都造形芸術大学は、その意味で世界で一番理想的な環境だと思います。
だから色々夢中で勉強して欲しいです。

投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビュー4 千住博学長4

Q7:受験生にメッセージお願いします。

A:日本には色々な美大がある。
だけれど、今一番充実していて、実は全世界の人が話題にしているのが、この京都造形芸術大学なんです。
例えば、今までの歴代の現代アートのオリンピックといわれるベネチア・ビエンナーレ出品者が、最も多く教授として集まっている美大が、この京都造形芸術大学です。
なんと10名近くいるのです。次が東京芸大でたった2名です。

また、私は2010年の上海万博の総合グランドデザインを助言する国際メンバーの一人です。
私は中国館、テーマ館のコンセプトづくりに協力して、先日帰国しました。
世界の主要な美術大学の学長達が、サミットに招かれ集まりましたが、日本から出席した学長は私だけでした。

今、世界に通じる窓口を持っている大学というのは、本当のところ、日本では京都造形芸術大学だけです。

デザイン分野でも、イタリアの巨匠アレッシーさんをはじめ、最高のスタッフがそろっていますし、
副学長は秋元康さんです。言うまでもなく、日本の若い文化を現場でつくっている張本人です。

本当に学ぶ気のある人は、この大学に入って欲しい。

しかし、この大学に入ったら遊んでいる暇はないと思います。皆さんを甘やかすことはありません。
厳しい先生方が沢山いるので、高度で、自分の中で解決できない課題を出されたりすると思う。

でもそういう時にしっかり苦しんで学んで欲しい。
今高校生達に一番必要な事は、どの大学が一番厳しいかで選ぶという事です。
どの大学が、一番楽して卒業できるかという見方でいったら、その大学は出ても出なくても同じです。あってもなくても同じ大学です。そういう大学が本当に多い。

中に入って一番厳しい美術大学が、一番価値のある美術大学です。
入口は広く、出口は狭い。これが大切です。
そういう意味でこの大学は、決してなまやさしい大学ではありません。それが皆さんのためだと思って、心を鬼にしてそうするのです。
その中でしっかり学んで卒業すれば、世界のトップレベルに標準をあてた自分の人生が過ごせるのではないかと思います。

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今回3年生の課題説明の後に、
お忙しい中時間を割いてインタビューさせていただきました。
直接先生から様々なお話を聞けた事は、私自身とても勉強になり、刺激になりました。
学生一人一人とコミュニケーション取る事を、重要視されていたのが印象的でした。
その日は、日本画コース全学年が参加した飲み会が行われ、
千住先生を囲みながら話を聞けて、私達は貴重な一日を過ごしました。

投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の教員インタビューは、土曜日更新です!

2007年05月12日

鈴子の教員インタビュー2 新元良一編

教員インタビューの連載も二回目ですね。

今回は、今年から新設された芸術表現・アートプロデュース学科クリエイティブライティングコースの新元良一先生です。
新元先生は、翻訳、エッセイ、コラムなどの文筆家として、世界を股にかけて活躍されている先生です。

先生自身も、数々の著名人にインタビューされている先生なので、少々緊張気味でお話を聞きに行きました。
早速ご覧ください。

Q1:文筆家として活躍されていますが、そもそもこの道を目指したきっかけは何ですか?

A:とにかく本が好きなんですね。
家族によると、朝起きて寝床で本を読む子だったそうです。
そして、本を読んでいるうちに自分でも書いてみたくなった、それがきっかけです。


Q2:New Yorkに22年間住んでいらっしゃったそうです が、NYに行った当初は、アメリカの政治にはさほど関心が無かったと著書で拝見しました。では、なぜNYという街を選び、生活しようと思ったのですか?

A:前々からある意味でアメリカには興味がありました。
私の世代は、アメリカ文化を本当にたくさん吸収した世代です。
ポップカルチャーですね、ドラマやディズニー、音楽、映画など。
その中から貰ったアメリカのイメージがどんどん膨らんでいって、
本当はどんな場所なのか、自分自身で確かめたいと思っていました。
そして、小説が好きなので、作家がいる街ということで、ニューヨークに落ち着いたわけです。
色々な国の人が集まる街で、NYは懐が深い。
好きな事を話したり、実際に自分の思ったり、希望していることを行動に移せる。
そうしたチャンスを多くの人に与える印象を、ニューヨークに感じました。
NYの文化とは、外に目を向けて他の人を受け入れる文化です。それはとても刺激的です。


Q3:アメリカと言うと、やはり9.11の事を思い出してしまうのですが、9.11があった事で何か意識は変化しましたか?

A:そうですね。社会の様子、政治のあり方に興味を持ち、アメリカの良い所、悪い所を20年近く住んで分かり始めた時、あの事件が起こりました。
事件が起きてから、我々が使っている自由とは何なのか。
「自由」という言葉に対して使いづらくなりましたね。
人間の憎悪、貧富の差や考え方の差が、そこに結びついたとしたら、自分はまだまだ考えなければならないとは思いました。
人は一緒にいると楽しい、でも一方で、考え方の違う人とどうやって折り合いをつけるかというのが、今の問題だと思うんですよ。
それが今の時代、なぜ暴力に走るのかと考えますが、未だに答えは出ないです。
でも、考える事は大切だと思います。
そして、それらを考えることは、おそらく際限のないものでしょうね。

9.11の事については、何らかの形で、いつか書いてみたいと思ってい ます。

070512niimoto.jpg

Q4:文章を書くのは、情報を吸収し、展開し相手に伝えること。話すという直接的行為ではないので、文章で伝えるのは難しいと思うのですが?

A:言葉は人にとても大切なものを与えてくれる反面、怖い所があります。
自分が意図した事以外の事が伝わるという事は、本以外でもあります。
全然違う捉え方される事もあるかもしれないですね。
あるいは、軽い気持ちで書いたものが、傑作だと捉えることもあるかもしれない。
そういう意味も含めて、言葉の力というものは、ものすごく巨大です。
自分の意図した以上のものが、出てくる可能性がある。
言葉の定義を突き詰めるのは難しいだけれど、私自身、言葉を使って生きてきて、情熱を燃やしてきた人間です。
どうすれば相手に感じてもらえるか、そういう文章を考えていきたいと思っています。


Q5:なぜ、芸大に作家やジャーナリストを目指す為のコース(本学ク リエイティブライティングコース)があると思いますか、またそこで何を学んでもら いたいですか?

A:表現には色々あります。
自分の伝えたいこと、考えていることをゼロから作っていく、それが 「造形」であるとしたら、
自己表現の手段が「言葉」であってもいいわけです。
「美しい、素晴らしい」と言う気持ちを、そうした誰もが使いたくな る言葉でなく、自分の言葉、自分の表現で人に伝達することは大変だけれどやりがいがある。
それを学生に感じ取ってもらいたいですね。
この大学の良い所は、社会とのつながりがある点です。
自分達の作ったものを社会にも伝えていく、社会にあるものも自分達の中に取り込んでいき繋げていく。
その中での言葉というものは、かなり有効的な表現媒体です。
社会との繋がりの中での表現という事では、使うものは言葉だけれど、「造形」の意味で、日本画や写真、映画などと共通しているだから、ユニークな点を最大限に活か し、色々な学科とリンクできていけたらもっと可能性は広がります。
そういう意味で「言葉」による表現というのは、芸術大学にあって価値が見出せますよね。
学生には自分の言葉を見つけ、それを外に出してほしい。
言葉は、自分なりの方法で発見できる事を、ぜひ学びとってほしいと思っています。


Q6:最後に、受験生にメッセージをお願いします。
A:自分の言葉を見つけてください、そのための仲間がここに、このコースにいます、そのための教員がいます。
つながりの中での言葉は大事です。
独りよがりにならずに、人に読んでもらう文章を書いてほしいですね。
それを身につける良い場所だと思います。


初めて新元先生にお会いして、お話させていただきました。
興味ある内容ばかりで、時間があっという間に過ぎてしまいました。
先生の著書「アメリカン・チョイス」は色々と考えさせられる一冊で した。
先生の著書にある言葉や、今日のインタビューで言葉には計り知れない「力」があ
り、可能性があるのではないだろうかと改めて思いました。
これから先生の著書も楽しみです。

次週もお楽しみに!!

投稿者:鈴子(3年生)

鈴子の「教員インタビュー」は毎週土曜日更新中!!

2007年05月05日

鈴子の教員インタビュー1 菅原健彦編

こんにちは。鈴子です。
今日から始まるこの連載では、京都造形芸術大学の先生方をインタビュー形式で、皆さんに紹介していきます。

さて、第一回目は美術工芸学科 日本画コースの菅原健彦先生です。
070506inter.jpg

Q1:早速ですが、絵を始めたきっかけは?
A:図工の授業が好きだった小学生でしたね。
高校1年生の時に、日本画家の福田平八郎の作品と出会って「日本画が凄い」と思いました。
そして、単純に紙に筆で描く日本画に魅力を持ち、学ぼうと決意しました。


Q2:大学で学んだ事は?
A:大学時代の先生の影響が凄く大きかったですね。
作家として生きていく姿を目の当たりにして、その姿勢を見て大学生活を送りました。
大学では、先生から「教えてもらう事」はできないと言えるかもしれません。
ただ、「教わろう」という前向きな姿勢があれば、得られるものはたくさんあると思います。
その姿勢があれば、吸収できる事はいくらでも吸収できます。


Q3:先生にとって、絵を描くとは?
A:私にとって絵を描くとは、「理想」、そして、「生きること」。それがないと死んでしまうものです。
自然から得るものは大きいと思っています。今は自然の力を借りて自然そのものを描いています。


Q4:京都の魅力は?
A:古いものを沢山見られる事。行きたい所には学生を連れて行っています。
庭を見ることが好きで、以前は枯山水の庭を作品にしていました。


Q5:最後に受験生の皆さんにメッセージをお願いします。
A:好きなものを描いてください。それが一番難しい。
それが出来る人は、受かります。
頑張ってください。

話をしている菅原先生の真剣な目が印象的でした。
菅原先生は、直球で向かってきて、少し怖い時もあるけれど、
学生に真正面からぶつかって来てくれる真っ直ぐな先生です。
この取材を機会に、絵を始めたきっかけから現在の作家活動の話まで聞くことが出来て、
私自身も得るものがありました。
これから多くの先生とどんな話が出来るのか、私も楽しみです。

投稿者:鈴子(3年生)

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